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『神と共に 第一章:罪と罰』あらすじと感想。スーパー面白い大傑作・序章【ネタバレあり】

『神と共に 第一章:罪と罰』『神と共に 第二章:因と縁』見ました。

第一章ではほろほろ泣き、第二章では「無理無理ちょっと待って無理」とあまりの展開に大興奮しました。

『神と共に』二部作、最高に面白かったです。

 


あらすじ(第一章:罪と罰

 


燃え盛るビルの中から少女を抱えて飛び降りた消防士キム・ジャホンの元に、冥界の三使者カンニム、ヘウォンメク、ドクチュンが現われる。

亡者は生前の行いによって地獄へ行くかどうかの裁判を受けることになる。

殺人地獄・怠惰地獄・裏切り地獄、不義地獄・ウソ地獄…と全ての地獄行きを免れた亡者だけが、生まれ変わりの権利を得ることができる。

 

カンニムたちは弁護人として、ジャホンの生まれ変わりに尽力する。

1000年の間に49人の亡者を転生させることができれば、冥界の使者たちも人間として生まれ変わることできるのだ。

ジャホンを通過させることができれば、カンニムたちにとってジャホンは48人目の転生者になる。

 


生前の行いから亡者はランク分けされる。ジャホンは最も位の高い『貴人』の札を持たされていた。

貴人は最も転生の確率が高い。

消防士として命がけで市民を救い、身体の悪い母と裁判官を目指す弟のため昼も夜もなく働き続けていたジャホンだったが、地獄裁判を受ける中で、彼の抱える罪と罰が暴かれていく...


エンタメの渋滞


『第一章:罪と罰』にはエンターテイメントがこれでもかというほど詰め込まれていて映画のディズニーランドのようでした。

『神と共に』のここが良い!ポイントを挙げていきますね。

 


①キャラデザがいい【ヴィジュアル編】

 


カンニム、ヘウォンメク、ドクチュンのヴィジュアルがよすぎる...。

ヘウォンメクとドクチュンが格好いい&可愛いです。

三使者(とくにヘウォンメク)の衣装が最高。ドクチュンの髪型から表情から何から何まで可愛い。

スタイルも表情も俳優として魅力的すぎる三使者様方でした。

 



 


カンニムとヘウォンメクについては武器の出現シーンがかなりキマっていて、スターウォーズライトセーバーに出会った少年はこんな気持ちだったんだな...としみじみしました。

ヘウォンメクの二刀流は言語を絶する良さです。


②キャラデザがいい【性格編】

 


カンニムはマジメ系堅物ボスキャラ(チームのリーダー)、ドクチュンはマジメ系天然天使、ヘウォンメクは強くてノリの軽い馬鹿、という感じです。

冒頭十分でドクチュンとヘウォンメクのキャラクターに"何か"が掴まれるんですよね。

冒頭でガシッと掴まれているのにお話の最後には掴む力が"何か"を握り潰す勢いになっていました。

ヘウォンメク演じるチュ・ジフンとドクチュン演じるキム・ヒャンギ、あまりにも魅力的な俳優さんです。愛。


③キャラデザがいい【関係性編】

 


ヴィジュアルよし!キャラ立ちよし!の三使者ですが、三人の関係性がいちいちツボを狙い撃ちしてきます。

 


そもそも『元人間のチーム』っていうね。

生まれ変わるために1000年も共に時間を過ごし協力して生きてきた三人...。

その設定だけでも嫌いなわけがないのに、『神と共に』の繰り出す関係性パンチは止まりません。

うう。


④親子にまつわる罪と罰

 


すごくいい人そうな消防士キム・ジャホンの地獄裁判所めぐりが第一章の主軸になっています。

身体が悪くろうあ者である母スジョンと裁判官を目指している現在は兵役中の弟スホンとの過去が露わになっていくのですが、韓国の映画はこれだけエンタメを追求してもやはり儒教思想と共にあるんだなぁと感じる仕上がりでした。本作は死後裁判がテーマなので、とくに儒教的な価値観が濃く見えるのかもしれない。

見ごたえがあります。スホンが意外と超重要人物です。

 



⑤楽しい地獄めぐり

 


ヘウォンメクとドクチュンはジャホンを連れて7つの地獄を巡ります。(カンニムは訳あって単独行動)

それがまぁすごい楽しいアトラクションでした。

魑魅魍魎に追いかけられながらのトロッコ、ウォータースライダー、飛行船と、楽しくないはずがない。

映画館で見たら楽しすぎて笑ってしまうやつですね。

 



 


⑥アクションがすごい

 


絶対『ジャンパー』参考にしただろ!という瞬間移動アクションが楽しいです。

カンニムとヘウォンメクの衣装がまた戦闘に映えます。天才。

 


まとめ:面白かった。

 


第二章のあらすじ感想はまた今度。

第一章はエンタメアクションサスペンスドラマ、第二章はマ・ドンソクも登場して三使者の過去が解き明かされる展開になります。

今年は『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』がベストかなと思っていたのですが、『神と共に』めちゃくちゃ面白かったですね。嬉しい悲鳴です。

 


また第二章の感想で書きますが、ドクチュンとヘウォンメクのMADを作りたくなるほどに二人にハマりました。

 

 


おまけ:視聴直後の早口感想

 


サスペンス要素もあり、ハリウッド大作をパロディするコメディもあり、ドラマもあり、韓流ドラマ真骨頂のあの要素もあり、超かっこいいアクションもあり、非常にジャンル分けが難しい作品。強いて言うなら『アクション・ドラマ』。アクションとドラマとその他の要素が3:5:5みたいなそんな感じ。10では例えられない。

韓国の映画はパラサイトと新感染とグエムルが面白かったなーくらいの親しみだが、『神と共に』はダントツで好きだった。

パラサイトのアカデミー賞作品賞受賞のときも思ったが、(比べるのはナンセンスだと思いつつも)もし自分が日本で映画を作っている人間で『神と共に』を見たとしたら悔しさで発狂してるだろうなというほど面白かった。

いち映画ファンとしては韓国映画レベル高すぎじゃないか????何なら国全体がピクサーみたいになってるんじゃないか????脚本と技術と俳優のレベルが高すぎじゃないか??????と戸惑う。この感じで作品を供給されてしまったらディズニーの新作を追う位の気持ちで韓国のヒット作品を追ってしまう。というかもうすでに絶対追う。

(韓国の映画面白すぎてちょっと悔しいという感情がにじみ出ている感想。今までハリウッド映画が一番面白いんやと思っていたけれどなんていうか最近の韓国映画ハリウッドより....(比べるのはナンセンスだがそれでも脳裏によぎる)ハリウッドより面白くね?という実感がどこか悲しくもあり、でも個人的には断然MCUより神と共にのほうが面白くてまた新しい面白さを体感できたことが嬉しくて...という気持ち。ヘウォンメクかっこよすぎて無理だった。工作みます。)

(直近の日本の映画で一番面白かったのは『シン・コジラ』でハリウッド映画では『ボヘミアン・ラプソディ』。そこに『神と共に』を並べるとしたら三作ともに「甲!甲!甲!」だが、『神と共に』の面白さは既存の路線にマサラと韓国の風味を感じなおかつそれがとてもエキサイティングであるところに「初めて出会った面白さ」を感じた...。あらゆる感情を網羅してやるぜ!というところがインドだし、ストーリーは韓国だしストーリーの組み立てはピクサーだし一部二部の広がり方はハンガーゲームっぽいしビジュアルと技術はハリウッドだし武器召喚シーンにいたっては過去最高に好みだったし...エンタメの新世界を見た)

最近の世界映画界に対する思いはワールドカップを応援している人の気持ちに近いような気がする。サッカーが好きなのが大前提ですごいプレーを見ると興奮する。ワールドカップ好きな人の気持ちが分かるようになった。

日本のNetflix上位が韓国のドラマであることを考えると、私はエンタメの新世界にすでに乗り遅れていたんだろう...。