『プライベート・ライアン』あらすじと感想。映画によって初めて知ること【ネタバレあり】
こんばんは、カミオモト(@eigagel)です。
ある方のツイートで知った俳優コリン・ファースのコメントがすごくよかったので紹介します。
英国王のスピーチでアカデミー受賞した時の、コリン・ファースの「映画は考えを押し付けるものでもメッセージを伝えるものでもない」って言葉に凄く救われたんだ私は
— りこ(Riko) (@rikoing) 2020年3月21日
感動させたいとか、泣ける映画って言葉、凄く息が詰まるの…ああ、こんな風に観客に対して思ってくれてる俳優さんもいるんだなぁって pic.twitter.com/yoC7GQvof7
以下動画内全文
(『英国王のスピーチ』 のアカデミー賞主演男優賞受賞についてのインタビュー)
Q. この映画が観客に伝えるメッセージとは?
特にないと思います。
私たちは伝道師でも哲学者でもありません。
私自身は遠慮なく物を言う人間ですが、映画は考えを押し付けるものではありません。
人びとの感じ方はそれぞれです。
この映画に対する反応を聞くのはとても嬉しいですが...
言語聴覚士や話すことに困難を抱えている人々からも、映画を見た感想を聞きました。
とても励みになり力が湧いてきます。
映画はとるにたらないものだと思われがちですが、時にはとても重要な役割を果たします。
映画を通じて、人々は、初めて何かを知ることがあります。
映画の価値はそこにあると思っています。
映画はメッセージを伝えるのではなく
何かに光を与えるのです。
今回紹介する映画『プライベート・ライアン』はまさにそういう映画でした。
今の自分たちには知り得ない戦場について、この映画は光をあてます。
あらすじ
トム・ハンクス演じるミラー大尉は、ある兵卒ライアン(マット・デイモン)を本国へ帰還させるよう命令を受ける。
ライアンは4人兄弟の末弟だったが、ノルマンディー上陸作戦により兄3人が戦死した。そのことを知ったアメリカ陸軍参謀総長が、ライアンだけは死なせずに母親の下へ帰すよう命令したのだった。
ミラー大尉は6名の部下とライアンを探すため戦場に繰り出す。
ライアンを探す途中、戦地となっていたフランスの村民から子どもの保護を頼まれる。
ナチスと連合国軍(アメリカ、イギリス兵)が行く先々で戦闘を行う中、子どもを預かることはできない。しかし、子どももその家族も爆破されたがれきの中で、生き延びられる保証はない。
部下のカパーゾがミラー大尉の命令に逆らって、泣き叫ぶ子どもを預かろうとする。
現場が混乱するなか、ナチスの狙撃兵によってカパーゾが撃たれ...
どうしてライアンを救いに行くんだ?
カパーゾが撃たれたように、映画の冒頭で映し出されるノルマンディー上陸作戦では多くのアメリカ兵が死傷しています。
帰郷を願う家族がいるのは、ライアンだけではないのです。
敵兵と闘うのではなく、ライアンを助けるという任務のために、ミラー大尉の部下は命を落としていきます。
戦場の映像
プライベート・ライアンの冒頭では、胴や足を失った兵士や、頭を打ちぬかれて死んだ兵士が克明に描かれています。
冒頭の映像によってその後のストーリーには常に緊迫感が伴うというだけではなく、銃やバズーカで撃たれたらああなるんだということが分かります。
誇張せずにそのままを映せばあの惨状になるんだと思います。
この映画を見なければ、それは想像でしか知らなったことでした。
ゴールデンカムイのような(金カムは傑作漫画です)アニメや漫画で慣れているような気がしますが、生身の人間で見る大ケガって本当に痛そうです。
これを自分の身に受けた人がいると思うと何も言えない気持ちになります。
Earn it. Earn this.
ミラー大尉が死ぬ間際にライアンへ伝える言葉です。
『俺たちの命に値するように生きろ。俺たちの行いを受け取って生きろ』
アメリカの人だけではなく、日本のこと、日本にいる家族、日本の未来を思って戦った人はきっと数多く存在しています。
死にたくない中で、どうしても死なないといけないのなら、誰かのためになればいいと思って死んだ人がいると思います。
そういった人の行いの上で生きているということを忘れずに生きないといけないですね。
素晴らしい映画でした。
ぜひ見てみてください。