エイガジェル

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『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』あらすじと感想。ついに未来がやってきた【ネタバレあり】

Netflixにて絶賛配信中の『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』見ました。

最高に面白かったです。2020年代を代表する映画作品になることは間違いないでしょう。

 


悲恋ではないゲイ・レズビアンのロマンティック・コメディです。

恋人たちの予感(1989)』『I.Q. 星に想いを(1994)』『恋愛小説家(1997)』『メリーに首ったけ(1998)』『ユー・ガット・メール(1998)』...ロマコメ映画の傑作を見た後に感じる、笑ったり嬉しかったり悲しかったり切なかったりした後のあの、「あーいい映画見たな」という気持ちにさせてくれる作品です。

『ブレックファスト・クラブ(1985)』の系譜も感じました。

 


すごく面白い現代のロマコメ・青春映画でした。

 


あらすじ

 


エリー・チューはアメリカの田舎町に暮らす中国系移民。

哲学や文学、芸術に造詣の深い彼女は、クラスメートのレポート代行業でお金を稼いでいた。

 

 


彼女の聡明さを知る教師から町を出て都市部の大学へ進学するよう勧められるも本人にその気はない。

エリ―の周りには彼女と同じように哲学や芸術を愛する友達はいないが、別にそのままでいいと思っていたからだ。

引きこもり状態の父がいることも地元の大学を選ぶ理由の一つだった。

 


ある日、アメフト部のポール・マンスキーに、学校のマドンナであるアスターフローレスへのラブレターを代筆してほしいと頼まれる。

アスターは美人で、町で一番お金持ちの家の息子トリッグと付き合っている。

典型的な人気者(ナルシスト風味)のトリッグとは違い、彼女は内向的な性格で読書や芸術を愛していた。

 


ポールの申し出を断っていたエリ―だが、電気代の滞納が発覚し、50ドルでラブレターの代筆を請け負うことになる。

 

 

 


登場人物

 


エリ―・チュー

17歳。主人公。

13歳のとき母が死んでから、一日2回電車が通る町の駅長をしている父の仕事を代わりに行っている。

電話ボックスのような小さな箱の中に座って、早朝と深夜、スイッチを操作する。

父はいつもテレビを見ている。エリーが見えていないみたいに。

 


哲学・文学・芸術を好む優秀な学生。ドライな性格をしている。

 

 

 


ポール・マンスキー

17歳。アメフト部に所属している。

学校一の美人アスターのことが好き。エリーにラブレターの代筆を依頼する。

家はタコス屋さん。本人もタコスが大好きで、独自の味を研究してエリー親子に食べてもらったりする。

どちらかというと単純な性格で、エリーとアスターの手紙やチャットのやりとりにはついていけない。

すごくいいやつ。

 


(出典:https://www.youtube.com/watch?v=ALAewF-Qfso)

 


アスターフローレス

17歳。学校で一番の美人。町で一番のお金持ち、学校で一番の人気者と付き合っている。

将来は彼と結婚して幸せになるのだと思われている。

エリーが書いたポールからのラブレターを無視することができず、返事を書いた。

 


久しぶりに面白い映画を見たぞ

 


私が見逃しているだけで面白い映画はたくさん制作・公開されていると思うのですが、ひさっびさに『うわー好き!!』となる映画に出会いました。

 


エリ―はアスターと手紙やメッセージでやり取りを始めるのですが、二人は完全に相性がいいのです。

メッセージを通してエリーとアスターは惹かれ合います。

 


しかし、アスターはエリーからの手紙を全てポールからの手紙だと思っているので、初めての対面デートをしたアスターとポールは上手くいってしまうんですよね。

 

 

 


ポールとエリーの友情

 


エリーの方は行動を起こす気がありませんが、エリーとポールは二人ともアスターに惹かれています。

50ドルのラブレター代行から、ポールの恋路に足をつっこんでしまったエリーはいつしかこの恋を上手くいかせたいという気持ちになるんですね。

それがポールとアスターとの間にあるものなのかそれともメッセージを送る自分とアスターの間にあるものなのか、よく分からないまま。

 


一方で、アスターからの返事に一喜一憂したり彼女の魅力を語り合ったり、会話の練習としてお互いのことを話していくうちに、ポールとエリーの間には友情が芽生えます。

 

 

 


この作品の中で泣きたくなるくらい覚えがあったのは、

自分を信頼して好きでいてくれる人がいて、自分もまたその相手のことを信頼し尊敬し、好きでいるときの気持ちです。

 


それって友情でも恋愛でも親子愛でもなんでもよくて、ただ人間同士ならどんな間柄でも成立しうるものなんだということを、この映画をみてしみじみ感じました。

言葉にできないものを表現できるのが映画なんだ、物語なんだと改めて感じました。

 


この作品を世に送り出してくれたアリー・ウー監督、俳優、制作、関係者の方々に心からの敬意と感謝を伝えたいです。

ハーフオブイット、面白かったです。ぜひ見てみてください。