『奇蹟がくれた数式』あらすじと感想。天才と超天才のコミュニケーション【ネタバレあり】
インドの天才的な数学者シュリニヴァーサ・アイヤンガー・ラマヌジャンの伝記映画『奇蹟がくれた数式』見ました~。
時々こういう作品を観るといいですね
心の栄養みたいなものが回復します。
あらすじ
シュリニヴァーサ・アイヤンガー・ラマヌジャンはインドの極貧家庭に生まれた。
ある数学の参考書に出会い、彼は数学に没頭するようになる。
専門的な教育を受けることはできなかったが、彼は独自に数々の公式を生み出していった。
あるとき、理解ある上司の勧めによりイギリスの数学教授へラマヌジャンの研究成果を郵便で送付した。
ほとんどの教授からは無視されたが、唯一ケンブリッジ大学のゴッドフレイ・ハロルド・ハーディは、ラマヌジャンの研究の異様さに気づく。
インドの田舎の事務員が自分と同じ研究成果を挙げていることに驚愕した彼は、ケンブリッジ大学へラマヌジャンを呼び寄せることにした...
超天才×天才の特殊な友情
極めて特異なラマヌジャンの才能を、極めて優秀であるがゆえに理解するハーディの奮闘記です。
雲の上で数学の神様と遊んでいるようなラマヌジャンに気づいて、山の上から地上へのはしごを掛けようとしているハーディが描かれます。
ラマヌジャンは独学で研究してきたために、数学の共通言語みたいなものを理解していないんですね。
大学教授たちと同じ結論を得ているのに、アカデミックな方法で説明する方法を知らない。むしろ、自分の出した公式は事実なのに、わざわざそれを証明する必要があるの?とさえ思っているラマヌジャン。
ハーディは不器用ながら『君の発見を真の発見にするためには、みんなに説明する必要があるんだ、そのために証明が必要なんだ』と伝え続けます。
数学一筋で結婚もしていない、数学しかないようなハーディ教授が、ラマヌジャンという人間のために自分の時間を使うのです。
ラマヌジャンの圧倒的な煌めきを理解できたが故に、それを後世に残すことが自分のすべきことだとしたんですね。
ハーディは真に数学に殉ずる人でした。
天才は早死にする
ラマヌジャンは33歳で夭折します。
ちょうど第一次世界大戦中にイギリスへ渡っていた彼は、戦時下に必要なだけの野菜を手に入れることができず、栄養失調から結核になってしまいます。
病気を知った彼は自棄になり自殺未遂を起こします。
そして落ち込む彼を励ますためにハーディが大活躍。
日常とは別次元の空間で分かり合えることができたために、過ごした時間に関係なく強い人間的な繋がりを持つことになった二人の友情が最高です。
『超天才×超天才を認め助ける天才』の物語が好きな人はぜひ見てください~。
ハーディ役のジェレミー・アイアンズがすごくいいです。