『IT/イット THE END』あらすじと感想。ルーザーズの友情とピエロ【ネタバレなし】
こんにちは、カミオモト(@eigagel)です。
リメイク版IT後編こと
『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』見ました~。
タイトル長いですね~。
原題のシンプルな不気味さを台無しにする邦題、嫌いじゃないです。
あらすじ
主人公ビルはIT(イット/それ)という正体不明のピエロに弟を殺された。
デブ、不良少女、神経症、ビビり、ゲイ、虚言癖の友人は学校中のはみ出し者で、自分たちをルーザーズ(負け犬たち)と呼んでいる。
27年周期でデリーに訪れる怪物ペニーワイズに狙われた彼らは、ペニーワイズに立ち向かう。
なんとかペニーワイズを倒し、ルーザーズはそれぞれの人生を歩み始めた。
そして27年後、過去の出来事を忘れていた彼らの元にデリーで多発する連続不審死の一報が入り......
仲間外れたちの物語
前編は12歳時代の話、後編は39歳になった彼らの同窓会的お話でした。
12歳のときに倒したはずの怪物が現われ、大人になったルーザーズはペニーワイズと闘います。
ペニーワイズは少年少女たちの抱える“恐怖”を具現化して彼らを怯えさせます。
ベバリーは父親から性的虐待を受けていることが示唆されていて、ペニーワイズはベバリーに対して“血”の幻覚を見せるんですね。
観客はペニーワイズの幻覚を通してルーザーズたちが現実で抱える恐怖を知っていきます。
虐待をする父親や、過干渉の母親、焼死した両親など、ペニーワイズが怖いというより恐ろしい現実のなかに元々ルーザーズは生きていたのです。
小学校で「なんか変なことをしていた子」って、そのときは意味が分からず変なやつと思っていたけれど、今になってみると何か事情があったんだろうなと思えるような子がけっこういます。
自分自身のことも含めて、思わず過去を振り返ってしまうような作品ですね。
そういう何かしらを抱えて仲間外れになっている子どもたちが出会い、ルーザーズ(負け犬たち)として怪物に立ち向かいます。
これはそのまま「仲間と一緒に自分の恐怖に立ち向かう」という寓話ですね。
後編では大人になった彼らが、幼い頃の友人と一緒に過去の恐怖と立ち向かいます。
ドクター・スリープの感想でも書きましたが、
スティーブン・キングは人生のホラーな部分とそこから拭いきれない愛情の部分を書く作家です。
スティーブン・キングの作品は恐怖を直視しながら希望を捨てません。
ペニーワイズ
90年代の初代ペニーワイズと今回のリメイク版ペニーワイズ、どちらが好きですか?
筆者は圧倒的に初代ペニーワイズが怖いですね!
好きなのはリメイク版です。
リメイク版は正直あんまり怖くないので、心底ゾッとしたい方は90年代『IT』をおすすめします。
画質の荒さ、CGじゃない演出がいい感じに怖いです。
あと初代ペニーワイズは本当に邪悪で不気味です。